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山口敏太郎祭4〜オカルトオタクの逆襲

「山口敏太郎祭4〜オカルトオタクの逆襲、武蔵野歴女会が乱入予告!!」が2011年10月14日、東京都杉並区の阿佐ヶ谷ロフトで開催された。山口敏太郎祭は漫画原作者にしてオカルト研究家の山口敏太郎氏が主宰する毎年恒例のイベントで、数々の能力者や霊能者と研究家、懐疑派が入り乱れたオールナイトイベントである。

冒頭の司会は新人中年芸人・南部イチヒコ氏で、開会宣言を行う。最初は映画『Xマン VS 口裂け女』を中心にしたトークである。歩く雑誌・中沢健氏、作家・漫画家・映画監督・格闘家の巨椋修氏、怪談師・牛抱せん夏氏、超常現象研究家・中津川昴氏らが出演した。巨椋氏は不登校・ひきこもり・ニートにも詳しい。中津川氏は林田力の前世を19世紀後半に生まれたアメリカ合衆国サウスカロナイナ州の農場主の息子と述べた。

口裂け女は岐阜発祥の都市伝説である。1979年に岐阜で目撃されたという話が各地に伝播した。マスクをした女性が口裂け女だったという話もある。整形手術などの医療過誤を苦にして自殺した女性の怨念とする説もある。映画トークの後は『Xマン VS 口裂け女』の映画上映である。

続いて山口敏太郎氏・大輪教授の司会の「W大学学園祭」である。大輪教授は教授キャラのピン芸人である。『姫さま、事件です! 女子の悩みはいつの時代も同じでございます』を出版した武蔵野歴女会(元時代屋の若女将・磯部深雪氏、ライターの高桐みつちよ氏、漫画家のみかめゆきよみ氏)をゲストに、現役女子大生・高藤有沙氏も加わり、歴史トークで盛り上がった。

間に牛抱せん夏氏の怪談披露を挟み、引き続き「W大学学園祭」で心霊・伝説リポートである。船橋東照宮や強清水(こわしみず)をリポートしたVTRが放映された。このVTRにはスーパーヒーローマニアの伊藤博樹氏も出演して、怖がる様子が映っている。

続いて司会を巨椋修氏にバトンタッチし、スピリチュアル・アイドルの疋田紗也氏に心霊経験をインタビューした。霊感の強い疋田氏は「裸の大将に似た幽霊」を目撃し、そのイラストも披露した。疋田氏は歌も披露した。

次は口裂け女ライブで、『Xマン VS 口裂け女』のテーマ曲「口裂け女のブルース」が披露された。ここでは口裂け女が登場し、演奏後には、ぬらりひょん打田もトークした。

ここから巨椋氏と疋田氏で映画『世界侵略・ロサンゼルス決戦』『ラスト・エクソシズム』のトークとプロモーションVTR上映となる。『世界侵略・ロサンゼルス決戦』はロサンゼルスを襲撃してきたエイリアンに立ち向かう海兵隊員達の死闘を描くSFアクション。『ラスト・エクソシズム』はCMがテレビ局からNGとなるほどのホラー映画である。

UMA/幽霊の法律相談

続いて巨椋氏と疋田氏、林田力で「UMA/幽霊の法律相談」である。「幽霊は不法侵入になるか」「宇宙人の人類拉致は犯罪か」「UMA (未確認動物Unidentified Mysterious Animal)捕獲は動物虐待になるか」などのテーマでトークを展開した。

巨椋氏が「他人の住居に侵入する幽霊は失礼ではないか」と振ると、疋田氏は「そう思う時もあるが、逆に昔から心霊スポットに居着いている幽霊からすると、そこに入ってきて驚く人間の方が失礼ではないか」と応じた。

林田は「幽霊の立場からすると、人間の方が侵入者になる例が多い。幽霊ではないが、ジブリ映画の『平成狸合戦ぽんぽこ』が典型」と述べた。また、犯罪としては「刑法に住居侵入罪があるが、幽霊が犯罪の主体、犯罪者になれるかが問題」と述べた。

これに対して巨椋氏は「ゾンビはどうか」と尋ねた。巨椋氏によると、最初からゾンビは生者を襲うものではなく、死体を操って働かせようとした人間が生み出したものという。林田は「ゾンビそのものよりも、ゾンビを操る、または生み出した人間に責任を追及できるのではないか」と答えた。

「操る」という点について疋田氏は「自殺者が相次ぐ居場所では、霊に操られて自殺するというようなこともあるのではないか」と述べた。林田は「私も子どもの頃に階段に壁がなく、柵しかないマンションの10階の上った時に、そのまま下に吸い込まれそうになったことがある。自殺したくて自殺した訳ではない人もいると思う」と答えた。

次に「宇宙人の人類拉致は犯罪か」である。巨椋氏は「明らかに犯罪ではないか」と振ると、林田は「被害者から見れば明らかに犯罪。但し、人間の拉致でも国家による戦争中の拉致は戦争行為として正当化する論理もある。宇宙人が地球と戦争行為をしているつもりならば、戦争行為として正当化するかもしれない」と答えた。

また、巨椋氏は「(フィクションなどに描かれた)宇宙人は何故『我々は宇宙人である』と語って、一人でも『私は宇宙人である』とは言わないのか」と質問した。林田は「宇宙人の代表として地球人と会話する意識なのではないか」と回答した。

疋田氏は宇宙人にも遭遇したことがあるという。巨椋氏から「幽霊やUMAではなく、どうして宇宙人と分かったのか」と突っ込まれたが、「直感的に認識した」と答えた。

続いて「UMA捕獲は動物虐待になるか」である。巨椋氏は「UMAは絶滅危惧種と同じであり、捕獲したら動物虐待になるのではないか」と質問したが、林田は「絶滅危惧種や天然記念物は規定されたもののみが対象となり、現状の法律はUMAに対応できていない」と答えた。

巨椋氏は米国マサチューセッツ州には「宇宙人から贈られたガンを撃つことは法律違反である。」という奇妙な法律を紹介した。これについて林田は「宇宙人は原文ではalienで、異邦人との意味を持つ。マサチューセッツ州では『alienが許可なく銃を所有してはならない』などalienに対する銃規制の条文が多い。それでもalienには宇宙人も含まれるため、もし宇宙人から銃を贈られた人がいて、それを発射したら、この法律で裁かれることになる」と答えた。

トークの最後は「人間も幽霊や宇宙人を毛嫌いせずに共生していかなければならない」とまとめた。これに対して疋田氏は「霊にも悪霊がいて、取りつかれることもある」と反論すると、巨椋氏は「適度に距離を置くことも大切」と補足した。

ラストは山口氏や中津川氏らによる「UFO/UMA最前線」である。未公開VTRや貴重写真を公開する。邪悪妖怪絵師・増田よしはる氏による妖怪ネクタイ即興書きも行われ、じゃんけんで選ばれた観客にプレゼントされた。

阿佐ヶ谷ロフト


林田力の前世

超常現象研究家・中津川昴氏によると、林田力の前世は19世紀後半に生まれたアメリカ合衆国サウスカロナイナ州の農場主の息子という。農場は畜産が主体である。当初は稼業を手伝っていたものの、家を出て鉱業に従事する。

その分野では高名な人物に師事したものの、三年間は芽が出なかった。当初は金鉱一本であったものの、タングステンなど幅広く扱うことになる。晩年は鉱業から引退し、金属加工の工房に従事している。今でも刀工などの製作現場を見ると懐かしさを覚える筈である。 その前の前世はイギリスで、さらに前はロシアで暮らしていた。西へ西へと進み、現世は日本である。旅行者タイプである。

幽霊は不法侵入の犯罪者か

不法侵入は「正当な理由がなく、他人の土地・住居・建造物などに侵入すること」(大辞泉)である。他人の家に理由なく侵入されることは住人にとっては不法侵入だが、幽霊に現世の論理が通用させられるかは問題である。その幽霊も過去の住民だった場合など、幽霊の論理では現れることが正当な理由になるだろう。

刑事上は犯罪としては刑法130条の住居侵入罪がある。また、軽犯罪法第1条第1号は「人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者」を罰する。

しかし、犯罪の主体は人間でなければならない。幽霊が人と言えるかが問題である。一般的な法律上の考え方では幽霊は人ではない。人の幽霊ならば過去に生きていた人であるが、ここでいう人には死者は含まれない。よって幽霊は犯罪の主体にはならず、幽霊が住居などに侵入しても住居侵入罪にはならない。

式神のように人間が操る霊が存在したとして、操る人の意思によって霊を住居などに侵入させた場合でも、人間が侵入しなければ住居侵入罪にならない。軽犯罪法第1条第11号は「相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者」との規定がある。霊が「物」と言えるかが問題である。

尚、軽犯罪法は「こじき」を犯罪とするなど市民感覚から乖離した法律である。

人類拉致の宇宙人は犯罪者か

拉致は明らかに犯罪である。しかし、国家による拉致を戦争行為として正当化する主張もある。

一方、犯罪の主体は人であり、宇宙人を「人」と位置付けるかが問題になる。

宇宙人の立場に立てば、人間が実験動物を捕まえるような感覚と同じで罪の意識はないかもしれない。

宇宙人が人であるとしても人でないとしても、政府機関が宇宙人の人類拉致に関わっていたならば公務員犯罪、政府の不法行為になる。

UMA捕獲は動物虐待になるか

UMA (Unidentified Mysterious Animal)は未確認動物であり、未確認であっても動物であるから動物虐待の対象になる。動物虐待は道徳的な概念であるため、何が虐待であるかは価値観によって変わり得る。捕獲するだけでも虐待とする立場もあれば、捕獲方法や捕獲目的によって虐待とする立場もある。また、イルカやクジラへの捕獲への国際的な反発が典型的であるが、知能の高い動物に対しては虐待を広く認める立場もある。

日本法では「動物の愛護及び管理に関する法律」が動物虐待を規定している。この法律は第2条で基本原則として「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」と定めている。

虐待について明確に定義されていないが、罰則の対象となる行為は以下の通りである。

・みだりに殺すこと

・みだりに傷つけること

・みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行うこと

・遺棄すること

但し、罰則の対象は法が定めた愛護動物に限られる(第44条)。

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一  牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる

二  前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

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このためにUMAは対象にならないが、牛のUMAや馬のUMAと位置付けられるUMAがあれば該当する。