林田力『東急不動産だまし売り裁判』研究



【転載】外環ネット国土交通省宛質問書


質問項目関係官庁御中

2012年8月1日

外環道7区市ネットワーク(外環ネット)

大塚康高



私たち外環ネットは、外環沿線7区市の住民グループで構成され、2001年に開催された国交省による説明会以来、東京外かく環状道路(以下、外環道と表記)問題と取り組んできました。

外環道に関しては、国交省・都の説明会、各地で行われた地域課題検討会などの場で、多くの課題が提起されたにもかかわらず、いまに至るまで納得のいく回答を国交省から得ていません。現在、東名JCT地区で準備工事が始まっています。この機会に、住民への説明責任をしっかり果たすよう、要望します。

なお、私たちは、昨年12月に国土交通大臣に宛て、1兆2820億円にのぼるという外環道予算を、東日本大震災復興のために振り向けるよう、強く要望する文書を提出しています。不要、不急の外環道予算を、是非、東日本大震災復興に役立てていただきたい。

同時に、我々は、福島第1原子力発電所の事故が、国民の生活を、国のあり方を見直す大きな機会をもたらしたと考えます。従来型の公共事業による経済活性化ではなく、省エネルギー社会の創造に取り組む時です。原発立地自治体には、再生可能エネルギーの開発などに関連して予算を投入することで、産業基盤、生活基盤を支えるべきと考えます。そのためにも、外環道予算を役立てるよう、要望します。



●以下に、これまで納得のいく答えがなかった事項につき、質問(   内に表記)します。

2012年8月15日までに文書による回答をお願いします。8月21日には、回答いただいた内容に関し、更に質疑を行いますので、よろしくお願いいたします。



I.課題検討会開催地区での説明会開催

沿線各地で「地域課題検討会」に参加した市民、傍聴した市民から、「対応の方針」がどのように実現するのか、その答えを聞きたいとの要望が多数寄せられています。

1年に及ぶ「地域課題検討会」は、PIの一環として、国・都により取り組まれたものであり、そこから作成された「対応の方針」がどのように実現していくのか、国・都は責任を持って当該自治体の「地域課題検討会」宛に説明すべきことです。

すでに準備工事が始まっている現在、国交省は、住民への説明責任を果たすため、一刻も早い説明会の開催を求めます



(I―1)課題検討会開催地区での説明会は、何時開催されるのか。具体的な日程を示すこと。





II.必要性について

1. 費用便益比(B/C)

外環B/Cについては 3.3→2.9→2.3 と見直される度に 修正されて来た。

私達は 如何してこのような数値が出て来るのか その根拠を教えて欲しいと求めて来た。具体的には

(1) どの道路を (2)どんな台数(車種別)が (3)どの位の短縮時間で 

走行する事にしたのかを 開示してほしいと 平成21年12月に求めたが 回答はその様な事を記録した文書は不存在だという理由で 不開示決定となった。これを不服として約3年間に亘り 国とやり取りして来たが、いまだに回答を得ていない。

去る7月19日、圏央道高尾山裁判の判決が有ったが、その中で 裁判長は「B/Cのデータを保存していないという国の対応を不当、不合理」と批判し、「行政行為の透明性の観点からもこのような姿勢は改められるべきだ」と指摘した。B/Cの数値が正確かどうかを確認するには、データの開示は不可欠であると、会計検査院も指摘している。

我々の求めるデータを開示し、B/Cの正確性を示してほしい。



(II-1)B/Cの算出根拠となる「どの道路を」「どんな台数(車種別)が」「どのぐらいの短縮時間で」走ったのか、示すこと。(特に、その他道路の内容を示すこと)



2. 平成22年の交通センサスによれば、外環の必要性は無くなったのではないか?

当初の都心環状線の渋滞解消目的から、外環道は環状8号線の渋滞解消目的に変っている。環状8号線の交通量は、平成11年から平成22年の間に、12の測定地点のうち8地点で減少した。その内2地点では3割以上、5地点では1割以上の減少であった。

同期間に、交通量が増加した4地点は、いずれも練馬区下石神井以北である。そこには井荻トンネルをはじめ、平成18年に供用が開始された区間が含まれている。その影響が大きいと推測される。(別紙1・2)

国交省は、外環の整備効果として、環状8号線の交通量が「1〜2割減」としてきた(例えば、「対応の方針」平成21年4月)。しかし、外環予定ルートに並行する練馬以南の環状8号線で、1割以上の交通量減が、すでに実現している。平成25年開通予定の首都高速中央環状品川線も、この減少傾向に寄与するものと思われる。

更に、昭和55年度以降の関東地方の交通センサスによれば、東京都の交通量は平成11年から減少傾向がはっきりしている。ただし、道路種別では、高速道路だけが増加している。一般道路では、埼玉県を除く関東各県で、平成11年以降減少しており、東京都と神奈川県で、その傾向は顕著である。(別紙3)

このような事実を踏まえて、16kmに1兆2800億円(付属道路分を加えれば2兆円超)の巨費を要する外環の建設が正しい選択であるのか、問い直すべきである。



(II―2)平成22年の国ツウセンサスに基づき、外環を利用する交通量について数字をすべて出し直すこと。17年度センサスに比しいずれも大幅減である。

(II−3)平成22年の交通センサスにより明らかとなった交通量減少という事実から、外環道の目的は達成されており、建設の必要性がなくなっているとの分析への見解を示すこと。



●次回の外環道の事業再評価時期を具体的に示すこと。



III. 外環と外環の2

   本来、外環といえば 高架構造の外環本線と その高架部分を支える橋脚を置くための外環の2 というスペースを基とした一般道路が一体となって構成されているものである。

昭和41年に都市計画決定したものの 全線で約3000戸の立ち退きが必要となり あまりに反対が大きいことから結局は凍結状態になってしまったものである。



それから約30年 構造を変えて 地上でなく大深度地下トンネルで進めようと平成13年(2001年)の「外環計画のたたき台」が登場し 今後は 「外環本線と外環の2が 集約して 地下に移す」という事で 再出発した筈であった。国と都は一緒になって説明会にのぞみ その様に説明してきた筈である。



最近、都は外環の2の計画は 地上部の道路として残っており 何としても地上部に 道路を作るのだと主張し 杉並区や武蔵野市では都が主催する「外環の2・話し合いの会」が持たれている。その席で 都は 今まで一貫して 外環の2が地下に移るといった覚えはないとし あくまでも 都は地上部に外環の2を作るのだと主張している。



1. 国は、東京都の この動きに対し どう考えているのか?

平成17年1月に 都が外環の2のパンフレット(外環の地上部街路について)を発行する時に 国は都からどのような説明を受け 都の考え方を承認したのか?(それまでは 外環は 本線も外環の2も共に地下に移るという事になっていた筈)



(III−1)平成15年3月に、国交大臣と都知事連名で、図解入りの方針発表があった(「東京外かく環状道路(関越道〜東名高速間)に関する方針について」)。この中で、地上部街路に関しては、地元の意向に従うと明記されている。上記の都のパンフレットは、この方針に反しているが、その方針変更はいつ行われ、どのような形で公表したのか、示すこと。



2. 住民としては 外環の2を当初通り 地上部に作るとなれば 外環本線を何も地下に移す

必要はなく 当初の計画通り 高架構造で計画してほしいと強く念願している。それは 地下のトンネル構造にした場合 地下水脈に多大な影響を与えるからである。



(III―2)多数の住民を立ち退かせて「外環ノ2」地上部街路を作るのであれば、外環道本体も、大深度地下ではなく高架構造で建設する方が環境影響は少ないとする住民の見解への国の見解を示すこと。(特に、地下水への影響)

IV. 地下水について

「大深度地下利用における環境における検討調査報告書」(平成16年3月 国土交通省大深度地下利用企画室編 以下、国交省報告書))は、「トンネルが大深度かつ長距離化すると、異なる一部の帯水層の連続化により、トンネルにできる『みずみち』により水位が上昇または低下することから、地盤沈下や隆起の恐れがあり、また、そこに汚染源がある場合は、地下水汚染が拡散する」と記している。

外環道は、江戸時代からの水源涵養地に建設される。地下水が豊富で、池や川が流れ、緑豊かな自然と住宅街が融合している地域である。それだけに、浅層、深層いづれの地下水であれ、流動阻害が発生すれば、地盤の隆起、陥没が引き起こされ、地上に住む多くの住民の生活、財産が脅かされるのは、間違いない。

また、三鷹、武蔵野、調布各市及び練馬区の大泉地区では地下水を飲料水として汲み上げている。地下水汚染は、そのまま住民の健康に重大な影響を与える。

国交省が作成した上記報告書が明らかにしたように、大深度地下と言えども、トンネルによる地下水への影響は「想定外」とはいえない事実である。



1.  地下水流動保全工法の信頼性

地下に巨大な構築物を建設することから 地下水の流れを遮断し トンネルの上流、下流の地下水位の差が生ずることが必至である。それの対策として「地下水流動保全工法」が採用されるとの事であるが その効果については 全く疑問であり、住民は納得のできる説明を受けていない。「対応の方針」以前の問題として この工法の効果について わが国で採用されていると言われる16例の現場において その効果の有効性をデータで示して欲しい。具体的にはトンネルの両側(上流側、下流側)の地下水位の数値を時系列のグラフで示してほしい。

杉並区では 外環を扱う「道路交通対策特別委員会」では昨年 この工法を採用した井荻トンネルのデータが示されたが このデータではトンネルの両側での地下水位の差が3〜4mも有り 問題であることが判明しており 今でも毎日60トンの上流側に溜まった地下水を排水していると言うのである。要するに効果は無いのである。

圏央道の八王子城跡トンネルで 完成後の今でも 毎日500トンの地下水を湧水として溜まるので 放出している。国史跡であることから文化庁が トンネル掘削を認めた許可条件である地下水位まで戻す事が出来ず、大きな問題になっている。

トンネルを掘削すれば トンネル周囲に大量の地下水が集まって来るというのは今までの例から明らかである。外環の場合どうなるのか 納得の行く回答が未だになされていない。対応の方針とは関係なく、地下水流動保全工法が有効であることをデータを示しながら 説明を早急にすべきである。



(IV―1)流動保全工法が信頼に値するというのであれば、杉並区の課題検討会で国交省が示した16の工事事例について、トンネルの両側(上流側、下流側)の地下水位の数値を時系列のグラフで示すこと。

2.トンネル外周部の「みずみち」

先の国交省報告書の中で 地下に構築物を作った場合 その施設周辺に新たな「みずみち」が出来る可能性が図入りで説明されている。

外環の場合も その説明図にあるように トンネルの外周に新たな「みずみち」が出来て大量の地下水が溜まることが予想される。



何故ならば 大深度地下の場合 地下水は 圧力の掛かった状態でおさまっていたものが、トンネル掘削により トンネル部が大気圧の解放状態となり 今まで被圧状態だった地下水が一挙に 解放された部分に向かうからである。

トンネルを掘削したところは どこでもこの現象が起きており 外環の場合は トンネルが巨大だけに ここに集まる湧水量は 中途半端のものではないと考えられる。



(IV−2−1)「みずみち」の発生、即ち外環のトンネル外周にたまる湧水について国交省はどのように考えているか、示すこと?



(IV−2−2)また 発生した場合は その対策をどのように考えているのか、示すこと。



3.深層帯水層の流動阻害

40m以深の深層部においても流動保全工法の必要性を国交省報告書(P3-39〜3.48)では否定していない。

発生原因として、「地下水の流動阻害は、地下施設施行時の止水壁や設置した施設そのものが、帯水槽を遮断したり、地下水の貯留域を減少させることにより生ずる。特に大深度地下利用の場合,線状の長い構造物や施設施行時の長大な止水壁などが地下水の流動性を阻害することがある」とし、地下水位・水圧の低下による取水障害・地盤沈下が発生する可能性を指摘している。その影響事象としては、@水位上昇による施設の浮き上があり A既設の施設への漏水 B液状化抵抗の減少 C地盤の湿潤化による植生環境の変化を上げている。環境保全措置は、「浅深度の開削工法を用いた例が主で大深度での事例はない」と指摘している。



(IV−3)大深度地下トンネルでシールド工法の場合にも、流動阻害の可能性が指摘されている。流動保全にいかに取り組むのか、示すこと。



4.地下水汚染と飲料水

飲料水は、200m程度の地下水層から汲み上げているから、大丈夫だというのがこれまでの答えであった。しかし、汲み上げポンプには、帯水層ごとにスリットがあり、それぞれの帯水層から汲みあげる仕組みになっている。従って、200mからくみ上げているから安全という説明は適切ではない。また、上記報告書に記載されているように「みずみち」ができれば、更に汚染が拡散する。この防止を具体的にどうするのか、説明を求める。



(IV−4−1)飲料水として汲み上げられる地下水の汚染防止は、具体的にどのような方法により行うのか、示すこと。



(IV−4−2)地下水汚染が発生し、拡散した場合の除去方法を具体的に示すこと。



(IV−4−3)シールドトンネルには、地盤強固剤を使うと聞くが、どのような成分なのか、またその人体に与える影響について、科学的根拠とともに示すこと。



(IV−4−4)シールドマシンが曲線を掘削する場合、地山との間隙が大きくなる。このため、間隙部分にコンクリートを注入すると聞く。注入されたコンクリートが溶解し、地下水を汚染する可能性がある。これをどのように防止するのかを示すこと。



(IV−4−5)トンネルと地山との間に埋込剤を注入するが、どのような成分のものを使うのかを示すこと。また、人体への影響につき、科学的根拠に基づき説明すること。



5.練馬区天然記念物「八の釜湧水」問題

「練馬区天然記念物八の釜の湧水」と憩の森の代償として、国は蓋掛け部分に代償施設を作ると説明して来た。



(IV-5-1)代償施設の場所、湧水の保全法を具体的に示すこと。



(IV−5−2)蓋掛け部分に代償施設を作った事例を示すこと。



V. 耐震基準について

(V−1)高規格道路の橋梁部、トンネル部の耐震強度は、所要の耐震性を確保するとしているが、その「所要の耐震性」とは、具体的な震度を幾つと想定しているのか示すこと。



(V−2)東日本大震災は、マグニチュード9.0と測定されている。東京湾内で同様の地震が発生した場合、東京圏の震度がいくつになると想定しているかを示すこと。



(V−3)都内の高速道路(外環道新設部分を含む)を、東日本大震災並みの震度に耐えるように設計変更するには、どのような手続きが必要になるのか。具体的に示すこと。



(V−4)首都圏の直下型地震発生に対する対応が十分であるというデータが存在しているのであれば、示すこと。



(V−5)V-1,V-2に記載の設計には、すでに取りかかっているのか。完成はいつになるのか。或いは今後取り掛かるのなら、それは何時なのか。それぞれ示すこと。



VI. 大気汚染について

1. 中央JCTの複合汚染

ガスの複合汚染地帯の環境アセスの実施を求める。中央JCT周囲は中央高速ジャ

ンクションと東八インター、本線換気塔に加え、東八、放射5号、外環ノ2などの都市計画道路が建設され、それぞれから排出されるガスの複合汚染地帯となる。



(VI−1)上記の今後建設される都市計画道路による大気汚染を含めた大気汚染予測値を示すこと。



2. 予測値と実績値の乖離発生時の対応

東京都環境評価条例に基づき供用後の調査をするとしている。想定外の予測しえなかったことが起きた場合、いかなる対応措置をとるのか具体的に示してほしい。インターやジャンクションの閉鎖、あるいは大深度トンネルの使用中止まで考えるのか。見解を求める。

供用開始後の実測地と予測値の乖離が発生するおそれは極めて高く。首都高11号線・臨海道路(レインボーブリッジ)では、1992年年平均予測値はNO2で0.025〜.0.033ppmとしていたのに対し1994年には0.042〜0.056ppmとなり予測を大きく上回った。



(VI−2)供用開始後、NO2の実測値と予測地が乖離した場合、どのような対策をとるのか、具体的に示すこと。



3.脱硝装置

2箇所の換気塔は除塵装置のみで、脱硝装置は装着されないとされていたが、今回、国が、低濃度脱硝装置で環境負荷の低減効果を検証すると述べたことを三鷹市は評価している。脱硝装置の事例として、中央環状新宿線があるが、ここは、約1.5Kmごとに換気所がある。10Km分(関越〜中央JCT)の換気量, 6Km分(中央JCT〜東名JCT)の換気量をもつ北野の換気所とは、比較にならないほど間隔が短い。脱硝装置の容積は距離即ち換気量に比例するといわれ、果たして長距離対応の脱硝装置が三鷹の換気所に収まるものなのかも未知数と国交省もいっている。



(VI−3)中央JCT換気塔に設置される脱硝装置は、どのくらいの容積が必要となるか示すこと。





4.PM2.5の除去

浮遊粒子状物質(SPM)PM2.5ミクロン以下の粒子の環境基準を環境省が示すことは進歩であるが、現在の除塵装置ではPM2.5は除去できず、空気中を浮遊し人間の血液に入りこむ発ガン物質である。



(VI−4)PM2.5の除去方法をどのように考えているか示すこと。



VII.インターチェンジについて

(VII−1)東京環状道路有識者委員会の最終提言は、「外環道はインターなし地下案の検討を基本に」であった。インター、特にハーフインターを設置する根拠をデータで示すこと。



(VII−2)インター設置による効果は、設置地域が受ける影響(デメリット)や、設置費用を確実に上回るものなのか、検討過程を示すこと。



VIII. 外環道の「東名以南延伸“虚偽説明”問題」について

1. ミッシング・リンク

平成19年4月の「都市計画変更決定」(主として本坑の大深度トンネル化)に至るまで、

「外環道計画」は沿線住民に対しては「東名以南延伸」を前提条件に、説明が行われてき

た。この結果、現在でも、宇奈根、鎌田等の東名以南住民はもちろん、喜多見、成城等の

世田谷区内の沿線住民は、練馬方面からの通過交通は、東名ジャンクションをアンダーパ

スして湾岸方面に向かい、地域への過剰な交通流出は防げるものと信じさせられている。



また住民ばかりでなく、情報に明るいはずの世田谷区議会等でも、70%近くの議員は

以南延伸によって、環八の渋滞が解消される、と信じている。

ところがこのことは、住民も関与して作成された外環道の重要な指針である「対応の方針」に、期限つきで約束された数少ない重要項目との間で決定的な齟齬が生じている。すなわち「平成21年度中に国・都により東名以南延伸検討機関を設置する」と明示的に約束されながら、事実は、今日、平成24年7月にいたるまで、そのような機関が設置された事実は全くない。



これは、むしろ齟齬と言うよりも、国が行った外環道事業における、沿線住民に対する重大な約束違反である。当該地域には、「以南延伸」を条件に外環道計画を支持した住民も多数存在するのである。



このことについては、国土交通省から出向している官僚、すなわち現地の責任者は、メディアに対し、以下のように回答している。

「外環道の東名以南延伸については、(検討機関が設置されていないだけでなく)現在は白紙の状態である、理由の一つとして、外環と第3京浜を都内で接続することが困難な点もある」(東京外かく環状国道事務所・篠田前計画課長)

また、現在の出向官僚である東京外かく環状国道事務所・辛島計画課長、及び、自治体の所管である世田谷区の外環担当も、以下のように表明している。

「外環の東名以南延伸については、たしかに目下検討機関はなく、高速道路全体のありかたが検討されているところである・・」



ミッシング・リンクの解消を大きな目的として行われている事業が、実は「東名行き止まり」という、さらに大規模な、新たなミッシング・リンクを誕生させるという欠陥と、論理的な矛盾を抱えたまま現に施工しているという事実を、国はどう考えているのか。



(VIII-1)ミッシング・リンクを解消する名目で取り組まれているにもかかわらず、「東名以南

延伸検討機関」が設置されない理由を示すこと。



2.外環道・東名合流部の渋滞問題

現状の事業のままでは、外環の南部端末の出入り口は、東名・首都高3号線の用賀出入り口を利用するほかなく、都内の東名入り口付近で現在も日常的に発生している出入り口における渋滞が起これば、外環道からの交通は東名に進入できず、ランプ(坂道)と長大なトンネル内に待機せざるを得ないことは明らかである。これは、他地域の例のように、ジャンクションのパスルートが設計されていない以上、外環道の重大な構造的欠陥と考えざるを得ないが、国道事務所は、これは「道路(建設)問題ではなく、交通管理問題である」と述べている。(平成22年7月オープンハウスにて同事務所の中澤職員談) 



   (VIII−2−1)外環道の東名JCT合流部及びインターチェンジにおける混雑に関し、どのような対応策をとるのか、具体的に示すこと



(VIII−2−2)中澤職員の異様ともいえる上記回答は、国土交通省としてのオーソライズされた回答であるか、正式に回答すること。



    また、何事もなく、環状八号線に到達できたとしても、そこは、新しい交通調査(平成22年)によれば、全体的には交通量の減少傾向にある環状8号線においても、増加傾向を示している日本最大級の環八・瀬田交差点と一体化した地域である。

環八の東名出口の700m先(南)に日量およそ10万台、都内4番目の超過密「瀬田交差点」がある。交通の結節点ながら、信号機が数十mから数百m間隔で存在させざるを得ないという、道路交通上のネックになっており、更にその上、環八の南2kmの地点が横浜方面への第三京浜の始点となっている。

 それにもかかわらず、この周辺地域における交通量等の予測は、住民等には全く周知されておらず、不明瞭なまま、工事が開始されている。(「準備工事」と呼称されているが、それは専ら施工者の便宜的表現であって、国民、住民にとっては「工事」そのものと何ら異なるところのない紛らわしい呼称である)



   (VIII−2−3)日量10万台の日本の幹線・東名高速と、同7万数千台と目される高規格幹線道路たる外環道、さらに日量10万台という都内でも最大級の通過交通量を数える瀬田交差点とが、外環端末で、逃げ道を持たずに集合しているのである。この不整合、及び交通量の相関が、先進国の道路事情と比しても適正なものといえるか、データを提出して回答すること。



(VIII−2−4)計画時、有識者委員会等は、このような事態に至る蓋然性を指摘し得なかったかどうかについても回答すること。



   (VIII−2−5)東名ジャンクション周辺地域における「以南延伸」の放置は、そのような重大な問題を引き起こしているが、どのように善処するつもりか、早急かつ具体的に示すこと。



3.都知事発言

(VIII−3)都市計画者である東京都知事は「そりゃ、ジャンクションの周囲は多少被害は

でるだろうが・・・国のためだ」(2011年12月22日記者会見)と述べているが、国も同じ考

えか。国民(沿線住民)を欺くような執行につき、分かりやすく説明すること。



本来、国は国民に対して、健全な道路計画を担保しかつ説明してから事業を行うべきところを、沿線住民にこの「東名以南延伸」に係る事実を公的に説明したことは、これまで、ただの一度もない。このことを十分に踏まえて、真面目な回答を求める。



IX.「過剰投資の使用不能トンネル部分」について

「東名以南延伸」が国民への約束を違えて検討が頓挫し、現在白紙であることは前項(8項)で述べた通りだが、しかしながら、以南延伸の都市計画が全く不存在であるにも関わらず、現事業地には、たまたま残ってしまった「以南延伸用のトンネル」を計画時の原設計のまま施工しつつある。(すなわち、将来、自動車の通行に供せないトンネル道路を、供用予定部分の本坑と同じ規模で施工している)



このような工事を何故行うのか。この供用できない不通区間の規模構造は、供用される本坑と規模・躯体構造的には全く同じでもので、約1500mもある。醜聞といえる。この問題は、今となっては都市計画すら存在しない「東名以南」への延伸目的に設計された行き止まりの大深度トンネルの設計を、そのまま現実に施工してしまうという、根本的に杜撰で乱暴な行為である。



この、本来は不要物である“盲腸トンネル”の工費は、巷間言われている計算法にしたがえば、1500億円の、使用目的のない空洞にすぎない。(それほどの費用はかからないというのであれば、国土交通省は、その見積もりを明らかにすべきであろう。いまだかつてそのようまことを行った事は一度もない) 「道路として使えない大深度トンネルを1500mも掘る」ということの異常な事態について質問する。



「現地」すなわち、7月5日の世田谷区での説明会の席上、そこでは国を代表している国道事務所の国交省官僚である辛島計画課長は、「なぜこんな無駄なことをするのか」という地元住民の質問に対して、以下のように回答した。



「(道路として供用できなくても工事の)効率が良いということがある。(土砂を迅速に東名道に接続して運べるので)早く作りたい、という目的には適っている」

と、住民多数の前で述べた。将来計画が変わったにも関わらず、将来計画のために行った設計をそのまま施工し、土砂運搬ルートとして使えば「早く作れる」という発想と発言は、世界の土木業界(中国を除く)においてノーマルな発想といえるか。



そもそも、同ルートを無駄に掘らなければ、他の効率は格段と向上する。

すなわち、東名への接続線(いわゆるジャンクションのランプ部分)は、本坑から分岐も合流もさせることなく、本坑をストレートに東名に接続すれば済む。

そもそも1500mの区間そのものも野川に隣接した、ほぼ国分寺崖線の景観軸内であり、、この不要部分の廃止は、周囲環境への抵触を劇的に低減させる。



またそのことにより、長径32mに及ぶ土壌阻害の大きいNATM(ナトム)工法区間(約500m)を設ける必要がないなど、ジャンクション周辺環境だけでなく、現区分地上権者の安全・安心も格段に向上するのである。



周辺は23区内では唯一のホタル自生地である「成城でみつ池」をかかえた国分寺崖線の、東京でも数少ない都市緑地法に指定された特別保護区である。NATM工法の廃止は、従来、強く懸念されてきた保護区内の湧水や野川への抵触を最小限に抑えられる。・・・等、利益は計り知れない。



それにもかかわらず、これらの明らかな利点を無視し「早く作りたいという目的に適う」とは、国家公務員の言動にふさわしいとは、とてもいえない。

これは言い換えれば「目的のためには手段をえらばない」という態度そのものではないのか。

  この不要部分本坑1500mこそ、その巨額な工費(推計1500億円)を、東日本大震災・原発破綻などの災禍にあえぐ人々に直接振り分けるべきではないのか。 



   「早く作れる」と回答した官僚のずる賢い計算は見えている。

   現在は道路としての役に立たなくなった直径16mの本坑相当のトンネル2本を無理押ししてでも作ってしまえば、今後の本坑掘削時の排出土砂を直接的・機動的あるいは自動的に東名高速に乗せられることと、すでに設計してしまった換気塔への煙道としての利用がおもな狙いである。いずれも道路の本質ではない。こんなに“贅沢”で愚かしい工法は、世界に前例がない。極めて杜撰で過剰、非常識な投資である。

   

(IX−1)これは、歴史に残るほどの工法といえるので、確認したい。

国土交通省は、現地官僚の、現地住民に対するここまで非常識な言動を承知しているのか。

そして、「早く作るために本来は不要なルートでも作ってしまいたい」(大意)という言動(説明)は、オーソライズされたものであるのか、回答すること。



この供用不能区間を改めれば、莫大な工費削減ばかりか、自然環境への無意味な空洞の放置を防げ、NATM(ナトム)工法区間も廃止でき、「成城みつ池」のような特別保護区への抵触も防げる。

(IX−2)東名JCT部分の過剰投資、使用不能トンネルの設計変更を求める。国交省の見解を示すこと。



X.「外環工事現場の土壌汚染」について

本年5月15日東名高速脇の外環道のいわゆる「準備工事現場」(世田谷区大蔵5丁目21)から、多数の住民の指摘どおり、基準を上回る特定有害物資「鉛」が検出された。



当該土壌は、江戸期から著名な“六郷用水”とその分水、及びその堰などの大規模な構造を完全に産業廃棄物で埋め立てたのち、区画整理を実施、付近一帯の土砂を集積したまま長年(昭和時代から)放置。その上を不法産廃投棄業者が焼却等、産廃処理を行っていたが、国は基準を上回る「鉛」検出後もそれ以上の追調査を行うことなく、実質的には焼却場の地盤と化した土壌を盛土と称して、住民に充分な説明もないまま運搬処理を行おうとしている。



(X−1)汚染された土壌を、いつ、どこへ運搬しようとしているのか、具体的に示すこと。



国(国交省)は適法に行っているというが、土壌汚染対策法にいう「形質変更届」や「地歴調査」を済ませているというものの、それから3ヶ月ほどたって、試掘をした結果、汚染があきらかになった。当該地が、産廃焼却場であったという古老の指摘にも国の担当者は、「知らなかった」と証言した。

しかし、その後、住民側の調査で、産廃焼却の事実や(東京消防庁開示情報)、当時の各紙の報道で、逮捕者が近隣からでるなど、特殊な土壌であることが証明された。



付近住民は不安をいだきつつ、暮らしている。国は、当該土壌の、十全な調査を行った上で、移動させるべきではないか。不法投棄である以上、「鉛」はたまたまの検出に過ぎず、解体家屋等が投棄物の主体であったということから、当該土壌からは、何が出てもおかしくないといえる。

   現在の、産廃焼却場の地盤と化した、昭和時代の1500?の土壌は、まず調査を行ってから然るべく移動するのがスジではないか。

住民は、日々不安のうちに暮らしている。

国の事業としての、責任を問う。



(X−2)汚染された土壌であることが判明した以上、さらなる調査が優先されるべきである。

当該地の地歴から、他に何が検出されるかわからない以上、まずは慎重な調査が優先されるべきと考えるのが常識だが、国土交通省の見解を示すこと。



このことは、東京都や環境省とも様々な連携で申し入れをしているので、国土交通省の対応方としてどのように決定しているのか、特に正確な回答を求める。



 なお、事業者は、急ぎ運搬する体勢も見せているので、回答は急を要する。



以上


林田力

林田力は『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)の著者であり、東急不動産消費者契約法違反訴訟原告である。東京都中野区生まれ。

Hayashida Riki is the author of "The Suit TOKYU Land Corporation's Fraud: How to Win" and the plaintiff Who Fought Against TOKYU Land Corporation.

林田力は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実を隠して東京都内の新築分譲マンションをだまし売りされた。東急リバブル・東急不動産は新築マンション引き渡し後に隣地が建て替えられて、日照・眺望・通風がなくなることを知っていたにもかかわらず故意に告げなかった。隣地が建て替えられれば部屋は真っ暗になり、作業所になるため騒音も発生する(山岡俊介「東急不動産側が、マンション購入者に「不利益事実」を伝えなかった呆れた言い分」ストレイ・ドッグ2005年2月21日)。

このために林田力は消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)に基づいてマンション売買契約を取り消し、売買代金の返還を求めて東急不動産を東京地方裁判所に提訴し、勝訴した(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地判平成18年8月30日、平成17年(ワ)第3018号)。

判決は以下のように東急不動産の不利益事実不告知を認定した。その上で、東急不動産に売買代金の全額支払いを命じた。

「被告(注:東急不動産)は、本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、原告に対し、本件マンションの完成後すぐに北側隣地に3階建て建物が建築され、その結果、本件建物の洋室の採光が奪われ、その窓からの眺望・通風等も失われるといった住環境が悪化するという原告に不利益となる事実ないし不利益を生じさせるおそれがある事実を故意に告げなかった」

この判決は不動産取引に関して消費者契約法4条2項(不利益事実の不告知)を適用し契約の取消しを認めたリーディングケースである(佐藤裕一「東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口」MyNewsJapan 2009年9月3日)。

この東急不動産だまし売り裁判を契機として、インターネット上では東急リバブル・東急不動産に対する批判が急増した。「営業マンの態度が高慢」「頼みもしないDMを送りつけてくる」など「自分もこのような目に遭った」と訴訟の枠を越えた批判がなされ、炎上事件として報道された(「ウェブ炎上、<発言>する消費者の脅威−「モノ言う消費者」に怯える企業」週刊ダイヤモンド2007年11月17日号39頁)。

林田力は2009年7月には東急不動産との裁判を綴ったノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』を出版する。『東急不動産だまし売り裁判』は『別冊サイゾーvol.1 タブー破りの本300冊 サイゾー11月号臨時増刊』(2010年11月1日発行)の「警察、学会、農業……の危険な裏 告発本が明らかにした「日本の闇」」で紹介された。林田力のコメントも掲載されている。

林田力は景観と住環境を考える全国ネットワーク・東京準備会「第3回首都圏交流会」(2009年11月24日)や「もめごとのタネはまちづくりのタネ研究会」定例会(2010年2月5日)でも東急不動産だまし売り裁判を報告した。

その後もマンション被害や住民運動を取材する。東急不動産だまし売り被害者として、林田力はマンション建設反対運動やゼロゼロ物件詐欺、追い出し屋被害に対しても強い共感をもって行動している。東京都世田谷区の二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住民被害や反対住民運動を詳細に紹介し、「世田谷問題を精力的に取材されているネット・ジャーナリスト」と評される。マンションだまし売りやゼロゼロ物件詐欺など悪徳不動産業者の実態を明らかにすることで、消費者や住民の権利拡張に寄与している。

林田力 wiki

 2003年6月、林田力は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実(隣地建て替えなど)を隠して東京都内の新築分譲マンションをだまし売りされた。
 2004年12月、林田力は消費者契約法第4条第2項(不利益事実の不告知)に基づき、売買契約を取り消した。
 2005年2月18日、林田力は売買代金の返還を求めて東急不動産を東京地方裁判所に提訴した。
 2006年8月30日、東京地裁で原告(林田力)勝訴の判決が言い渡された(東京地判平成18年8月30日、平成17年(ワ)第3018号)。
 2007年1月23日、林田力は東急不動産だまし売り裁判の記事「不動産トラブルと消費者契約法」を発表した。
 2007年3月20日、林田力は記事「アトラス・渡辺代表 東急物件の構造設計」で一級建築士資格を持たない無資格者が東急不動産マンションの構造設計者になっていた事実を明らかにした。
 2007年3月23日、林田力は記事「東急コミュニティーがマンション管理人を営業活動に“流用”」で東急コミュニティーがマンション管理人をリフォームなど自社の営業活動に流用していた事実を明らかにした。
 2007年10月9日、林田力は記事「東急不動産の遅過ぎたお詫び」で東急不動産だまし売り裁判に対する東急リバブル・東急不動産の「お詫び」を取り上げる。
 2008年1月8日、林田力は記事「東急リバブル、またまた虚偽広告」で東急リバブル東陽町営業所のマンション「アルス東陽町301号室」仲介虚偽広告を取り上げる。
 2008年2月1日、林田力は記事「東急の新築マンションでも広告表記訂正」でブランズシティ守谷の虚偽広告を取り上げる。ブランズシティ守谷の広告は駅からの距離を実際より短く表示した。
 2008年2月18日、林田力は記事「ブランズシティ守谷の建築確認に審査請求」で茨城県守谷市の新築分譲マンション・ブランズシティ守谷の建築紛争を取り上げた。
 2009年2月6日、林田力は記事「【かんぽの宿問題】東急リバブル転売にみる民営化の問題」で東急リバブルが旧日本郵政公社から評価額1000円で取得した沖縄東風平(こちんだ)レクセンターを学校法人・尚学学園(那覇市)に4900万円で転売した問題を取り上げた。
 2009年7月1日、林田力は東急不動産との裁判を綴ったノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』を出版した。
 2009年9月28日、林田力は記事「東急東横線で車椅子の女性が転落死」で東急東横線多摩川駅で車椅子の女性が転落死した事件を取り上げた。
 2009年11月24日、林田力は景観と住環境を考える全国ネットワーク・東京準備会が主催する第3回首都圏交流会で東急不動産だまし売り裁判を報告する。
 2010年1月、林田力は二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期)事業計画(案)に対する意見書を東京都に提出した。
 2010年2月5日、林田力は「もめごとのタネはまちづくりのタネ研究会」定例会で東急不動産だまし売り裁判を報告した。
 2010年4月20日、林田力は二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期)事業計画(案)に対する口頭意見陳述を世田谷区玉川総合支所で実施した。
 2010年6月2日、林田力は記事「東急不動産の小日向マンションで建築確認に不備=東京・文京」で「(仮称)小日向プロジェクトII」(現ブランズタワー文京小日向)の建築基準法違反を取り上げた。
 2010年9月6日、林田力は記事「東急不動産係長がトラブル相手に嫌がらせ電話で逮捕」で東急不動産係長がトラブルとなった顧客に脅迫電話を繰り返して逮捕された事件を取り上げた。
 2010年2月11日、林田力は記事「ブランズ文京小石川Park Frontで近隣住民が工事被害」でブランズ文京小石川Park Frontの建築紛争を取り上げた。
 2010年3月17日、林田力は記事「金銭着服事件発表の東急コミュニティーでは文書流出も」で東急コミュニティーの金銭着服事件と文書流出事件を取り上げた。
 2011年10月18日、林田力は二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期)組合設立認可決裁文書の情報非開示異議申し立てに対する口頭意見陳述を東京都庁第一庁舎で実施した。
 2011年11月7日、林田力は景観と住環境を考える全国ネットワーク「マンション紛争・都市問題首都圏交流サロン」で二子玉川ライズ問題や世田谷区デジタルコンテンツ問題、巨大アンテナ問題を報告した。
 2011年11月9日、林田力は世田谷区実施計画・行政経営改革計画素案に二子玉川ライズ補助廃止の立場から意見提出した。
 2012年3月22日、林田力は記事「東急は耐震工事を口実に古くからの住民の追い出しを図り住民は生活苦に陥る」で東急電鉄による東急大井町線大井町駅高架下住民追い出し問題を取り上げた。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『二子玉川ライズ反対運動』

 林田力『二子玉川ライズ反対運動』(マイブックル)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。

 自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。本書では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。

 また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者の林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

 林田力『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションである。2010年に刊行した『二子玉川ライズ反対運動』の続編である。東京都世田谷区の玉川では東急電鉄や東急不動産ら東急グループ主体の再開発・二子玉川ライズによる住環境破壊が問題になっている。

 第一章では二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。

 第二章では裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。

 第三章は二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを収録する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。

 第四章では二子玉川ライズのビル風問題について住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録する。

 第五章は世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」についてである。

 第六章では二子玉川ライズと同じ東急のトラブルとして、東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げる。二子玉川住民と大井町住民は同じ東急電鉄に苦しめられている住民として連携して活動している。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。

【目次】修繕積立金不足発覚/事務所使用を正当化/管理組合文書漏洩/管理委託契約違反/管理事務報告/管理人の営業利用/粗末な管理費督促/防火管理者/創立記念日/管理会社変更引継ぎの杜撰/リプレースの効果/マンション仲介広告に注意